検索ボックスの利用者が20%増全体の売上も増加
――ではUI変更後の成果を伺えますか?
花房:まず、検索ボックスのUIをわかりやすいものにしたことで、この検索パーツの利用者が20%増加しました。検索ボックスを使って検索するユーザーさんは、そもそも宿泊意欲が高い方ですので、利用者が増えたことで、サイト全体のCVRも高まりました。
佐藤:また先程も述べた通り、レコメンドのクリック率が高くなり、そこからの予約数も増えています。単価も高まったことから、全体の売上も12%向上しています。
――短期間で成果が顕著にあらわれていますね。
佐藤:そうですね。UI変更は全体の50%から始めたのですが、新旧のUIで初めから数字の変化があったため、すぐにもう半分のUIも変更しました。こんなにも顕著に表れることはあまりないので、驚きましたね。
花房:また数字以外でも、ヘビーユーザーさんから「見ているだけで楽しい」というような声も挙がっており、それがすごく嬉しいですね。ウィンドウショッピングのように「一休.com」を眺めてくれるユーザーさんも増えているのではないでしょうか。

――最後に、今後の展望をお聞かせください。
佐藤:レコメンドは作って終わりだと、そのうちユーザーさんも飽きてしまい、クリック率もどんどん下がってしまうと思います。でも実は、今クリック率は毎日徐々に上がってきているんです。もちろん、勝手に上がってるわけではありません。実は、当社で作っているレコメンドロジックは一つではなく、社内で3人のメンバーがそれぞれ完全に別々にロジックを作っているんです。どのロジックが一番良いかというのを日々競い、精度が良いものを残していくようにしているんです。そのメンバーの一人に代表の榊もいるのですが、みんなが負けず嫌いなのでこの体制が結構刺激になっています(笑)。今後も飽きの来ない、楽しいレコメンドロジックを作っていくことで、ユーザーのみなさんに新たな出会いを提供していきたいですね。
花房:UI変更はモバイルからスタートしたのですが、先程申し上げたとおり、数字としても既に成果が出ており、手応えを感じています。次はこの成功パターンをPCに転用していくことが、直近の目標ですね。やはりモバイルとPCの検索体験は異なるものですので、PCではPCならではの体験を検討して、使いやすく、見ていて楽しいサイトにしていきたいです。