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メタバースビッグバン、次々に生まれる世界をどう活用すべきか?

VRはやってみないとわからない、HIKKY舟越氏に聞く企業のメタバース活用

バーチャル空間を豊かにすることは全部やる

山田:御社にはクリエイトするメンバーが多く、営業部隊のイメージがあまりないですね。実際はいかがですか?

舟越:設立当初の営業は僕一人でしたが、現在は、法人営業のチームも増え、非常に強力になっています。お客様からの要件だけを伺ってもいいものは作れません。お客様のコンサルティングをしっかり行いながら伴走できるチームです。

山田:ちなみに、技術的なアプローチとして、機能やデバイスを絞るなど、取捨選択はされていますか?

舟越:バーチャル空間の取り組み自体を豊かにしたいので、捨てるというよりユーザーベースで考えて思いついたこと、やるべきことは全部を拾う覚悟で動いています。

 たとえばVRChatは非常に精巧なVR空間のコンテンツを楽しむように作られており、ヘッドマウントディスプレイがないと完全な体験はできません。しかしヘッドマウントディスプレイは現在すべての人に普及しているものではないので、アクセスへの障壁が出てきてしまいます。ですから当社は、スマホで手軽にVRを楽しめるVket Cloudも用意し、二軸で動いています。

バーチャルマーケットも入場方法が複数パターン用意されている。

 Vket Cloudは、今後個人なら無料で使えますし、学校や地方自治体にも無償提供していきます。そのような後進を育てる機会をたくさん作りたいですね。近い将来にはノーコードで触れることも考えています。

VRは若者にとって「なんだか、すごそうな場所」

山田:最後に、VR活用を検討中の企業様へ、ぜひメッセージをいただければと思います。

舟越:マーケターは自分たちの商品をアピールし、ブランディングして営業もする、非常に広義な仕事です。その中で重要なのは、今までの手法を利用するのはもちろん、それ以外の新しい手法をどれだけ早く取り入れて社内スタンダードにできるかです。

 当社が提携する大手企業の経営陣は年齢層も高めです。しかし、ヘッドセットを装着していただきしっかり体験をしていただくと、提携が決まることが多々あります。年齢に関係なく、バーチャルは体験したら確実に良さがわかるのです。少なくともHIKKYの提供したクリエイティブではそういう反応が大半でした。

 見た目が美しいだけでなく、遊んで楽しいコンテンツを創り上げれば、バーチャルコンテンツからのプロモーションや、サービス化は成功に向かいます。逆にここの手間を惜しんだり、間違ったりすると、リリースの段階で失敗してしまいます。市場が熱い今、本気でアプローチするのがおすすめです。

 しかしVRの取り組みは、すぐに黒字化させようとすると破綻します。市場は成熟してはいません。まずは、試してみてください。若い社員のチャレンジに投資することで、新しい文化や自走するチーム、そこからビジネスができあがります。

山田:企業も、その感覚をわかっている人と一緒にやっていく必要があるのですね。

舟越:そうですね。元々バーチャルマーケットをの参加者のコア層は、多くがインフルエンサーとしての性質を持っています。ですからその人たちに気に入ってもらうくらいのコンテンツに仕上げれば、広がる可能性は大いに高まります。

 また、韓国では、テレビやMVなどで、ヘッドセットを装着しているシーンが多く使われています。最新鋭でクールな表現ができるものとしてアーティストがVRを活用し始めているのです。それが、若者たちの「憧れ」になることに、彼らはいち早く気づいています。VRは既に、若い子たちの「すごそうで行ってみたい場所」になっています。

山田:感度の高い若者の「何があるかわからないけれど、すごそう」という期待が向けられる場所で、企業はいかに「すごい」を引き出せるかが重要ですね。ヒントになるお話をありがとうございました。

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この記事の著者

山田 輝明(ヤマダ テルアキ)

NRIネットコム株式会社 クラウドテクニカルセンター 副センター長 兼 営業DX推進担当

2009年にNRIネットコムに入社。デジタルマーケティング事業を立ち上げ、特にGoogleアナリティクス、デジタル広告に関するビジネス拡大に注力。2018年にNRIネットコムから一旦退出し、株式会社MeeCapを設立、スタートアッ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2022/10/07 08:00 https://markezine.jp/article/detail/40091

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