テレビ視聴時間は過去最高に
Nielsenは、2回目となる“A2/M2 Three Screen Report”の調査結果を発表した。2008年の第3四半期の平均的なテレビの視聴時間はひと月あたり142時間(1日あたり4時間45分)で、前年比では5時間増加している。さらに、イ ンターネットの利用時間はひと月あたり27時間、携帯電話のモバイルビデオの視聴時間はひと月あたり3時間となっており、米国人がこれらの画面を見ている時間は増加傾向にある。
日本では「テレビ離れ」が進んでいると言われるが、米国ではテレビをつけている時間は減るどころか増え続けている。2007~2008年のテレビシーズンの間に、家庭でテレビを利用した時間は1日平均8時間18分となり、Nielsenが調査を開始した1950年代以来、最も高い数値となっている。また、増加するインターネット利用によって、その3割はテレビとインターネットの同時視聴(ながら視聴)となっている。
オリンピック、大統領選、金融危機―ビッグイベントでオンラインビデオは成長
2008年第3四半期には、オリンピックや大リーグ、大統領候補の指名争い、金融危機などの大きなできごとがあった。これらについてのコンテンツが豊富に提供されたことから、オンラインビデオはこの四半期を通して絶えず成長を続けてた。第3四半期の利用状況を年代別に見るとテレビ視聴が最も多いのは65才以上で、ひと月あたりのテレビ視聴時間は196時間23分、インターネット利用が最も多いのは、35~44才で37時間56分となっている。
また、米国人はひと月に6時間以上録画したテレビ番組を見ており、これはオンラインビデオの視聴時間の2倍以上となっている。パソコンでのオンラインビデオ視聴と携帯電話でのビデオ視聴時間は、ひと月あたり2~3時間と短いが、パソコンでの視聴より携帯電話での視聴のほうが1時間近くうわまわっている。また、男性は女性よりもモバイルビデオを好む傾向にあり、女性は男性よりもパソコンでのオンラインビデオを好む傾向がある。
*データについて
「テレビ視聴」は放映中の視聴と再生視聴の7日間の合計。「テレビ録画視聴」は主にDVRによる再生だが、Start Overのような再生サービスやDVDレコーダーからの再生も含む。 「インターネット利用」は家庭と職場からの利用。
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