検索連動型広告の運用管理ツールとして出発したマリンソフトウェア
オンライン広告の運用管理ツールをクラウドで提供するマリンソフトウェアは2006年、米国サンフランシスコに設立された。当時の米国は、オンラインでの広告出稿量が格段に伸びていたにもかかわらず、手作業に近いような出稿スタイルだった。
共同創業者でCEOのクリス・リーン氏は、拡大するネット広告市場における検索連動型広告の出稿・管理支援ツールの必要性を確信し、マリンソフトウェアを設立した。同社の社名は、サンフランシスコのベイエリアにある「マリン郡」に由来しており、共同創業者の3人はともにこの地区の出身だという。
現在、マリンソフトウェアのプラットフォームによる広告運用額は年間50億ドルを突破。このうち、モバイルデバイス向けがおよそ23%を占めている。プラットフォームで運用されている広告ユニット数は60億を超え、顧客のうち10社が1億超のキーワードをマリンソフトウェアのプラットフォームで運用、うち1社は5億近いキーワードを運用している。
マリンソフトウェアは2012年1月に日本での事業をスタート。今回、日本におけるマネージングディレクターのジェイ・レベルズ氏に、日本のデジタルマーケティングの状況と同社ソリューションの展望について話を聞いた。
ビッグデータは"Your Data(あなたのデータ)"
同社のソリューションは、検索連動型広告を柱としながら、ディスプレイ、モバイル、ソーシャルにも機能を拡大。オンライン広告キャンペーンをひとつのインターフェイスで効率的に管理できるようになった今でも、その最大の強みはサーチ、検索連動型広告にあるとレベルズ氏は強調する。
「まず、わたしたちは非常に限られた分野の製品しか持っていないという事実があります。同様のツールは他社も提供しており、マーケティングスイートとしてさまざまなツール群を提供している会社もあります。一方、マリンソフトウェアの特徴は、いつでもニュートラルでオープンであるということ。どのツールとも連携し、あらゆるデータを取り込んで広告主が必要なパースペクティブ、カットでデータを活用できるようにしています。」
マリンソフトウェアは、もともとの開発思想において「オープンである」ということを重視しているとレベルズ氏。これは「ビッグデータ」の活用において非常に大きな意味を持つ。「今まさにビッグデータ花盛りですが、データは誰のもので、誰が責任をもって使えるものにするのか。私たちは、“Your Data”という言葉を今年のキーワードにしています。ビッグデータは、あなたのデータです。あなたがわかる方法で活用していく必要があるのです。
アドテクツールは便利な反面、肝心のアルゴリズムがブラックボックス化してしまう。マリンソフトウェアはアルゴリズムを公開しており、入札予測値がどのように計算されたのかその根拠をマーケターが理解できるため、必要に応じて自身の経験から予測値を手動で調整することもできます。」
完全自動入札も可能だが、こうした情報開示によって、今回は特別なキャンペーンを走らせるから自動ではなくて手動にしようという判断もしやすくなる。インテグレーションという意味でも、ツールのロジックという意味でも、オープンで透明であるということがマリンソフトウェアの製品コンセプトとなっている。
「ネット小売業界における検索広告の運用とパフォーマンスの追求
検索広告で収益パフォーマンスを拡大するための5つの戦略」
世界のGoogle AdWordsの売上を見ると小売業が30億ドル以上を占めていることがわかります。当然これには理由があります。検索広告がきわめて効果的で、安定した投資対効果(ROI)が見込めることが立証されたためです。
マリンソフトウェアは、グローバルな小売業者を対象として調査を行い、検索広告市場のきわめて激しい競争を勝ち抜くための主要戦略5点をまとめました。
ぜひ、ダウンロードして、貴重な調査データをご覧いただき、自社の施策立案にお役立てください。
入札は勝負、勝負の回数は多いほうが良い
マリンソフトウェアのツ―ルを使っている代理店では、検索連動型広告の出稿、レポート作成にかかる作業時間が、おしなべて半分以下になっているという。複数媒体からの結果をダウンロードして、エクセルに貼り、間違えないように並べ、数式を入れ、グラフ化し、壮大なレポートを作成する作業に時間を費やしているとしたら、ぜひマリンソフトウェアのツールを利用してほしいとレベルズ氏は言う。
「私たちのツールを使っていただければ、もうレポートはできあがっている状態ですから、分析や仮説立案に時間を使うことができます。こうした生産的な作業に注力することでPDCAサイクルが速くなります。入札というのは競争、勝負です。勝負の回数も重要で、週に1回の入札がベストという場合はよいのですが、もっと回数を増やしたいのに手が回らないという場合には、マリンソフトウェアのツールを使うことによって、勝負の回数を増やすことができるのです。」
効率化を実現しつつ、マーケター個人が持つ経験、蓄積しているノウハウを活かすには、できるだけ多くのデータがあったほうがいい。しかし、多すぎても判断が難しくなる。マリンソフトウェアでは、閾値をセットしておいて問題が発生したときだけアラートを出してくれる機能も備えている。「何が起きたかのかを分析し、すぐに手を打つ。これを日常化することが、地道だけれどもネットマーケティングで一番大事なところじゃないでしょうか。」
マリンソフトウェアの強みであるアルゴリズムは特許を取得しており、マリンソフトウェアのインテリジェント入札アルゴリズムとキャンペーン最適化は、通常20%以上の利益の増加をもたらすという。マーケターにとっては、まさに「心強い」の一言だろう。
ディスプレイ広告配信のメディアマインド社との連携
省力化による作業時間の削減は、検索連動型広告だけでなく、ディスプレイ広告においても同様に追求されている。「現在、Googleディスプレイネットワーク(GDN)に対応しており、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)への対応も決まっています。いかに作業を省力化し、時間削減するかという部分は、サーチでつちかってきた考え方をディスプレイ広告出稿にも活かしているのです。また、オンラインのアトリビューション分析にも対応しているので、関心を持っている方はぜひ活用してほしいですね。」
さらに10月1日、マリンソフトウェアは、DGメディアマインドとの連携を発表。メディアマインドが配信するディスプレイ広告とマリンソフトウェアが配信する検索連動型広告のコンバージョンデータを統合して分析することが可能になった。アトリビューションもその範囲で確認できるという。検索連動型広告とディスプレイ広告、それぞれを代表する広告管理ソリューションの連携から、どのような事例が生まれるのか注目される。
このほかにもマリンソフトウェアでは、Facebookへの対応も強化しており、およそ月に1回新しい機能を追加。Facebookにおけるターゲティングを簡単に行えるよう手順やインターフェイスを最適化している。また、利用拡大を続けるスマートフォンに対応するため、利用者がいる場所固有のプロモーションに合わせてメッセージを更新したり、デバイス別にターゲットを設定して最適な広告を配信することができる。もちろん場所別、チャンネル別にレポートしたりパフォーマンスを最適化することも可能だ。
「ネット小売業界における検索広告の運用とパフォーマンスの追求
検索広告で収益パフォーマンスを拡大するための5つの戦略」
世界のGoogle AdWordsの売上を見ると小売業が30億ドル以上を占めていることがわかります。当然これには理由があります。検索広告がきわめて効果的で、安定した投資対効果(ROI)が見込めることが立証されたためです。
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これからのマーケターに求められること
最後にもう一度、マリンソフトウェアの強みである、検索連動型広告の未来についてレベルズ氏にたずねてみた。「デバイスの進化によって、いつでもどこでも検索することが可能になりました。ハードウェアの進化が人の行動も変えていく。その行動に合わせて検索というサービスのあり方も変わっていくことになるでしょう。興味をもって何か知りたい、もしくは必要だと思っている人をどうつかまえるかという発想の部分と、ブランディングも含めてメッセージアウトした部分にどう反応してもらうかという部分は、両方それぞれ発展していくのではないでしょうか。」
進化を続けるマリンソフトウェアのソリューションは、デジタルマーケティングが根付きつつある日本で、これからますます活用の場を広げていくだろう。氏は日本のマーケターが置かれている状況について次のように分析する。
「日本は広告代理店と企業のマーケターが協力してマーケティング活動をしているケースがほとんどだと思います。これは、日本における非常に特徴的な点です。いま、マーケターが求められるものはROIであることが多いと思います。しかし今後は、よりはっきりと「売上」、つまり数字を求められるマーケターが増えるでしょう。マリンソフトウェアは、その方たちのお役にたつツールだと自負しています。それが必要な方にご理解いただけるように私たちもがんばっていきたいですね。」
しかし、デジタルマーケティング先進国の米国のマーケターも、悩みは多いとレベルズ氏は言う。「地道なSEM施策を実行できていない企業がまだまだ多く存在します。その一方で、売上目標達成に一番有効だと思っている施策は『検索連動広告』だと答えるマーケターは多い。わかっているけれど実行できていない、そんなマーケターの現状があるのです。マリンソフトウェアでは、こうした状況を踏まえて、どのようにオンライン広告の成果を上げていくかをテーマにしたセミナーを開催しています。興味ある方はぜひ足を運んでいただきたいと思います。」
~明日から実践できるアトリビューション分析とSEM最適化手法~
「ネット広告のCPAの最適化やクリエイティブのA/Bテストをやってきたが、コンバージョンが頭打ちになってきた」そんな悩みを持つ、ネット広告やウェブの担当者に向けて無料セミナーが開催されます。
「成果の頭打ちから脱する!ネット広告の成果最大化セミナー」
2013/10/17(木) 16:00 ~ 18:00 [主催]マリンソフトウェア株式会社、株式会社ビービット
セミナー詳細&お申込みはこちらから。
「売上は、営業のものではなくなっていく」と語るレベルズ氏。売上、数字を上げることが今後マーケターにとっても直接的な指標になると感じている人が多いのではないかと指摘する。すでにそうなっているという人、これからそうなるとわかっている人、あるいはそうなるのではと感じている人は、ぜひマリンソフトウェアのソリューションに触れ、自らのマーケティング活動の効率化に取り組んでほしい。
「ネット小売業界における検索広告の運用とパフォーマンスの追求
検索広告で収益パフォーマンスを拡大するための5つの戦略」
世界のGoogle AdWordsの売上を見ると小売業が30億ドル以上を占めていることがわかります。当然これには理由があります。検索広告がきわめて効果的で、安定した投資対効果(ROI)が見込めることが立証されたためです。
マリンソフトウェアは、グローバルな小売業者を対象として調査を行い、検索広告市場のきわめて激しい競争を勝ち抜くための主要戦略5点をまとめました。
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