アドフラウドのブラックリストは広告主の資産になる
高瀬:当社は運用面から広告価値向上を支援するため、今年4月、Momentum社のアドフラウド(広告詐欺)対策にプラグイン「BlackHeron」と、アドフラウト対策・アドベリフィケーション機能を提供する第三者配信ツール「Black Swan」をトレーディング業務に組み込みました。おかげさまで、広告主の方からも好評です。
高頭:どんな反応があったのか教えていただけますか。
高瀬:これは当社のサービスの特徴ですが、現在お取り引きしている広告主の方に、オリジナルのアドフラウドブラックリストを提供しているんです。弊社が運用している領域はもちろんのこと、他のパートナーさんとの取り組みにおいても活用してほしいと思っています。当たり前のことですが、「そもそも広告は人に配信しないと意味がない」ということで、このサービスを非常に喜んでいただいています。これにより、コスト効率も良く、広告価値はさらに上がることになります。つまりこのブラックリストは、広告主の資産なんです。そこに寄与できていることが、個人的にはとても嬉しいですね。

アドフラウド対策はメディアの価値向上にも貢献
高瀬:アドフラウド対策といえば、「SNSなどアドフラウドがいないクローズなネットワークで広告展開すればいい」という話もありますが、これについてはどう思いますか。
高頭:僕はインターネットの一番の魅力はアクセシビリティだと思っているんですよ。だからこそ、アドフラウドのような不正も発生してしまうのですが、そうかといってクローズドなアカウントを持つところだけに限定すると、ほかへのリーチを逃してしまいますよね。これはブランドにとっても損ですし、またクローズドネットワークに広告費が流れれば、インターネット自体が縮小してしまうというリスクもあります。個人的には、その流れを食い止めたいという思いがあります。
高瀬:おっしゃるとおり、僕もインターネットの良さはアクセシビリティにあると思いますし、いろんなコンテンツを生み出せるプラットフォームであるところも魅力だと思います。だからこそ、ブランドセーフティの考え方も含めて、アドフラウドなどの課題を解決することが、インターネットを良くすることにつながると考えているんです。
高頭:アドフラウドやブランドセーフティに関しては、いまのところ「ブランド広告主にとって有益」という文脈が大きいですが、これは将来的にはパブリッシャーにとっても有益なことにつながると思っているんです。つまり、自分たちで作り出した良質なコンテンツが、良質な顧客を獲得し、それによって広告主も喜び、収益向上につながるという図式です。まじめにやっているパブリッシャーの方が多数いる中で、フラウドによって本来メディアに流れていく収益を奪うことは、不健全きわまりないこと。実際、こうした取り組みを行っているメディアには高い価値がつくということが北米でも証明されています。そういう世界が日本でも起こればいいなと思っています。
高瀬:本当にそうですね。今日はありがとうございました。
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岩崎 史絵(イワサキ シエ)
リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。
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