セールスフォース・ジャパン(以下、Salesforce)は、「Einstein 1 Studio」および「Salesforce Data Cloud(以下、Data Cloud)」の新たな機能を日本市場で提供開始することを発表した。
「Einstein 1 Studio」は、CRMアプリにAIをシームレスに組み込むためのローコードのツールセットだ。今回Salesforceが国内で提供を開始する機能は、「プロンプトビルダー(Prompt Buider)」「モデルビルダー(Model Builder)」となる。
プロンプトビルダーは、カスタマイズされた再利用可能なAIプロンプトを作成できる機能。CRMアプリおよびData Cloudに統合した顧客データなど企業のデータをプロンプトに埋め込む(グラウンディング)ことができ、企業データの価値を最大化するAIコンテンツを生成できる。
セールスやサービス、マーケティングなどの業務で適切な文脈を有するプロンプトテンプレートを作成し、SalesforceのCRMアプリの業務フローに組み込んで活用することが可能だ。
モデルビルダーでは、ユースケースに合わせて適切な大規模言語モデル(LLM)を選択。Salesforceが標準で提供するLLMだけでなく、自社で使用するLLMを選択することもできる。
またモデルビルダーは予測AIモデルにも対応しており、主要な外部のSalesforceパートナーの予測/生成AIモデルをData Cloud上で活用できる。加えて、企業がData Cloud上のデータを活用して、ローコードで独自の予測AIモデルを構築することもサポートする。
Data CloudはSalesforceに組み込まれたデータプラットフォームであり、企業はSalesforceの製品およびシステムからすべての顧客データを接続・連携させることができる。今回Salesforceが国内で提供を開始するData Cloudの機能は、「データフェデレーション」「Data Cloud ベクトルデータベース」および「Einstein Copilot Search」となる。
データフェデレーションは、SnowflakeおよびGoogle CloudのBigQuery上のデータをSalesforceのData Cloudに実データのコピー作業なし(ゼロETL)で連携・統合できる。主要なデータレイクおよびウェアハウス上のデータをData Cloudへ共有し、様々なユースケースにて活用が可能。2024年3月中旬より日本市場での一般提供の開始を予定している。
Data Cloud ベクトルデータベースでは、PDF・メール・会話記録などの非構造化データを含むビジネスデータと、購入履歴・カスタマーサポートケース・製品在庫などの構造化データを統合。生成AIのプロンプト上でグラウンディングして活用できるように。
Einstein Copilot Searchは、ユーザーのリクエストを受け取りData Cloud ベクトルデータベースに埋め込まれたデータに対して類似性検索を実行し、関連性が高い回答を作成する。この回答には出典資料の引用が明記される。
これら2つの機能を活用することで、SalesforceのPlatform上でRAG(検索拡張生成:Retrieval Augmented Generation)を構成し、生成AIを業務に活用できる。なお両機能は、2024年3月中旬より日本市場でのパイロット提供を開始する予定だ。
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