クーポン施策が数十億のインパクトに。マルチチャネル施策の最適化
──Brazeの導入によって、施策の精度や顧客の反応率にはどのような変化がありましたか。
坂本:Braze導入後はパーソナライズされた配信や、状況に応じた「出し分け」が完全にインハウスで自動化できました。もう導入前の運用が思い出せないくらい、大きな変化でした。公式アプリとの連携に関しても、インアップ(アプリ内メッセージ)やプッシュ通知、LP、カタログ機能などが密接に連動しています。
また、Brazeはアプリ以外のチャネルにおけるメッセージの効率化にも一役買っています。たとえば、アプリのプッシュ通知を開かなかった人だけに、セグメントを絞って自動的にLINEで同じ内容を追客する、といった高度なチャネル連携フローが組めるようになっています。

──Brazeの広告オーディエンス連携機能も活用されているそうですね。
坂本:はい。Braze側で作成した特定の顧客セグメントを自動的にMeta(Facebook/Instagram)やGoogleの広告アカウントへシンク(同期)させています。これにより、すでにアプリを持っているアクティブ会員に対しては、無駄な新規獲得広告を表示させないといった除外設定や、特定の広告運用の最適化がノンストレスで行えるようになりました。
──受賞の理由にもあった「数十億円規模のインパクト」を生んだ、マルチチャネルでのクーポン施策について具体的に教えてください。
坂本:購買データを基に顧客を10段階に分類する「デシル分析」を行い、LiquidやカスタムHTMLを活用して、顧客の属性に応じたインセンティブの出し分けを徹底しています。たとえば、サツドラへの貢献度が非常に高い「トップデシル」のロイヤル顧客の行動特徴を分析すると、値引きよりもポイントを好む傾向があることが分かりました。
そのため、トップ層には100EZOポイント付与のクーポンをインバウンドで出し、逆に流動的な顧客には直接的な「10%OFF」の値引きクーポンをオファーするといった、顧客に合わせた「おトクの最適化」をしています。
他にも、位置情報を活用した競合店利用ユーザーへのカウンター施策や、くじ引きによるゲーミフィケーション施策など、週次サイクルで何種類もの異なるキャンペーンを同時並行で回し続けています。これらが積み重なり、数十億円規模の売上インパクトという圧倒的な成果に繋がっています。
ファイターズなどとの地域連携も強化。今後はマーケットプレイスへ
──プロ野球の北海道日本ハムファイターズ(Fビレッジ)様とのコラボ企画でも、驚異的な成果を収められたと伺いました。地域パートナーとの「共創施策」において、Brazeはどのような役割を果たしているのでしょうか。
坂本:北海道日本ハムファイターズ様もBrazeを導入されていたことから、Braze様経由でご紹介いただき、マーケティング担当者同士で「お互いのアプリのアセットを活かして、ファンや顧客に新しい価値を提供できないか」という対話から生まれた施策です。具体的には、エスコンフィールドHOKKAIDOでのイベントの際、サツドラ公式アプリと北海道ボールパークFビレッジ公式アプリを連動させたチェックイン連動型のクリスマスくじ企画を実施しました。
北海道日本ハムファイターズが勝ったらサツドラ公式アプリで使える10%OFFクーポンを、北海道ボールパークFビレッジ公式アプリからはサツドラのプライベートブランド(PB)商品に使えるクーポンを相互に配布する設計にしました。さらに、サツドラ店舗でクーポンを使って5回以上お買い物をしてくれたら、ファイターズの限定グッズや観戦チケットが当たるという、リアルとデジタルの垣根を超えた送客ループを作ったのです。
看板広告を出すような従来型スポンサーシップではなく、Brazeという共通のプラットフォームを持つからこそ、お互いの強みをデータで繋ぎ、リアルな日常のタッチポイントを創出することができました。
──サツドラが今後見据える、「地域の未来」とマーケットプレイス構想についてお聞かせください。
坂本:私たちが目指すのは、デジタルとリアルを高度に融合し、北海道の地域課題を解決していくことです。少子高齢化や人口減少が進む地域において、サツドラのアプリや店舗をインフラとして機能させ、オンライン診療などのメディカル機能など含めて、地域の生活をトータルで豊かにしていきたいと考えています。
その一環として、ECを起点とした「マーケットプレイス化」を推進しており、すでに北海道内の魅力あるものづくりを行う約50の事業者に出品していただいています。これまではマス(一律)で届けるしかなかった地域の良いものを、BrazeのパーソナライズやAIの力を借りて、本当に求めているお客さまへ個別に届けていく。
しかし、リテールにおけるデジタル化は、ただ最先端に走ればいいというものでもありません。AIやデジタルがどれだけ進化しても、高齢者から若年層のリアル店舗に来る方まで、誰もが置いていかれず、違和感なく「気持ち良い」と感じられる顧客体験を設計することが最も重要です。北海道で「サツドラがあって本当に良かった」と心から思っていただけるような、持続可能な地域プラットフォームを、Brazeという強力なパートナーと共にこれからも全力でやり切っていきたいです。

