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MarkeZine Day 2025 Autumn

統括編集長インタビュー

「UNIQLOCK」の仕掛け人が明かすWebキャンペーン成功のポイント


すばやく実現できる体制作りが重要

 ── Webキャンペーンを成功させるポイントは?

 個人的に一番重要なポイントだと思っているのは、自分の考えたことを実現できる環境を作るということだと思います。例えば、「UNIQLOCK」をやるにしても、社内的には「ブログパーツって何ですか?」という状態からスタートしました(笑)。おそらくこういった企業は多いと思います。

 そこで私は、社長に直接話すようなプロセスを取りました。Webでの流行を逃さないためには、社内でのプロセスを極力省くことが非常に重要です。また、多くの人の承認を得ようとすればするほど、もとの企画の純度は低下し、凡庸なものになりがちです。

Webプロモーションに強い人など、まだ少ないと思うし、その分野での専門的なマーケターとしての立ち位置が取れれば、やりたいことができるようになるのではないでしょうか。

 ── なるほど、せっかくアイデアを思いついたのに、トレンドが終わってからでは、意味がないということですね。

 そうですね。特にWebの場合はトレンドの移り変わりが早いので、実現までのスピードと企画の純度は重要です。その他としては、Webに限った点ではないかもしれないですが、マーケティング活動を行っていくにあたって

  • 他の業界や海外で成功していることをリプレイスする
  • 制作サイドとワクワク感を共有する

 といった点を意識することが大切です。昔、銀行のマーケティングに携わっていたことがあって「ATM手数料0円」といったキャンペーンをやったことがありました。当時、外資系保険会社がそういった手法をよく使っていたのですが、銀行でやっているところはなく、手法としては確立されていたので、非常に成果をあげることができました。

 他で成功していることを自分の範囲にリプレイスしたときに何ができるのか? ということは常に考えています。例えば、今回の「UNIQLO TODAY」に関しても、kizasiというブログ検索エンジンとカカクコムからインスピレーションを受けています。

キザシ、Flickr、はてなのコンテンツやサービスを活用した
ユニクロ独自のオンラインマガジン
キザシ、Flickr、はてなのコンテンツやサービスを活用したユニクロ独自のオンラインマガジン

 kizasiの仕組みは前々から面白いと思っていました。一方で、カカクコムのような形でユニクロの情報を集約させたらどうなるのかな?という発想もあって、それらの発想を組み合わせることで「UNIQLO TODAY」が生まれました。

 また、制作サイドが面白がってやってくれる環境を作ることも重要です。繰り返しになりますが「育てる」という意識を持つことが重要なので、その感覚を共有できて、Web文脈を読みとれる制作会社と組むことがWebキャンペーンを展開する上で重要なポイントになると思います。

ユニクロ発のメディアをどんどん作る

 ── 今後の目標を聞かせてください。

 おかげさまで07年8月期通期のオンラインストアの売上は前年比120%という結果を残せました。もちろん、私たちの活動だけではないと思いますが、ある程度は貢献できたのではないかと思っています。

 これからもやることは変わりません。お客様との接点を持つために、どんどんメディアを作っていきたですね。Webに限らず、リアルなメディアを作ってもいいかもしれない。いずれにせよ、グローバルな視点でインパクトのあるプロモーションをこれからも展開していきたいと思っています。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/06/07 00:33 https://markezine.jp/article/detail/2140

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