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機械学習にできること、できないこと マーケターと人工知能の正しい付き合い方

メール、レコメンド、カート放棄。機械学習を導入した3社の事例

 これまでは機械学習の仕組みや概念の説明だったが、林氏は最後に、実際に機械学習をマーケティングに応用した事例として3社を挙げた。

キャンペーンメールの反応率向上

 1社目は、数百万人の会員を有するEC企業。毎日のようにキャンペーンメールを送信しているが、その反応率を上げたいというシンプルな要望に対し、機械学習で最適なキャンペーンを予測し、メールの送信を自動実行する施策を適用したという。

 具体的には、3か月無料、500ポイントプレゼント、200円オフといった異なるキャンペーンメールを、全会員、優良顧客、直近の登録ユーザーなどにユーザーをセグメントして送る場合、どのユーザーセグメントにはどの施策が効果的かといったことを機械学習が予測し、確率が高いものを自動的に送付するというもの。

 セグメントやキャンペーンが細かくなるほど対象ユーザーも絞られ、メール1種類につき数人という規模になるものもあったが、キャンペーン自体のバリエーションが増えたため、全体で10%から20%ほどの効果改善が見られたという。

マッチング精度の向上

 レコメンドシステムに機械学習を採用したのは、転職サービス「DODA」を運営するインテリジェンスだ。求職者ごとの転職活動状況やWebサイト上の行動履歴を収集・分析し、ユーザーと企業のマッチング精度を向上させると、数名の担当者が手動で送信していた数十種類のメールを、担当者数はそのままに数百種類まで増やすことに成功。求人情報のレコメンドメールのPDCAを高速化し、応募率は1.8倍となったが、これは「事例を知った企業から『事件ですね』と言われたほど」の効果とのこと。

カスタマー育成

 3社目は、アパレルのECサイトや店舗を運営している企業。見込顧客、通常顧客、優良顧客とステップアップさせることを目標に、カート放棄およびWeb閲覧後フォローキャンペーンを実施した結果、前者による売上が全体の1%、後者は5.9%を占めるまでに至ったという。

 例示された3社、およびこれまでの経験から、林氏は機械学習による売上へのインパクトは5%~10%程度と見積もる。また重要なこととして、マーケティングオートメーションとの併用で「マーケティング業務が全自動で回っていく体制を作ること」を挙げ、ABテストを含めた従来の単純作業が機械学習によって自動で行われることにより、マーケターは別の業務に専念できることの意義を語った。

ECだけではない。データ面でも進むオムニチャネル化

 林氏は、今後広がっていくであろうオムニチャネル化についても言及した。

 「今までは、離脱した人をメールや広告でつなぎとめる、クロスチャネル程度でよかった。今後は店舗のPOSデータ、来店履歴、接客履歴など、多くのデータが取得可能になり、データ面でのオムニチャネル化はますます進んでいくでしょう。施策を選択する幅が広がる中で、多くのデータから機械学習などの手法も活用しながら、多くの施策を試行錯誤していく時代に入ったのではないでしょうか」(林氏)

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この記事の著者

渡邊 徹則(ワタナベ テツノリ)

株式会社Version7代表取締役。Web・コンテンツ制作、分析、マーケティングなどを手掛ける。 執筆業では、主にソーシャル、EC、海外サービス、メディアなどが専門。 会社概要 - seven@ver7.jp - Twitter/Facebook @brigate7

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/01/12 17:38 https://markezine.jp/article/detail/25314

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