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「デジタル」マーケティングはいずれ消滅する 日本郵便が考えるデータドリブンなオフライン施策とは

パーソナライズした印刷物を即時に送付。最新の印刷テクノロジー

 新しいDMを活用するには、印刷テクノロジーが重要である。

 鈴木氏の話をうけ、IT技術と紙をつなげるビジネスを展開しているグーフの岡本氏は、デジタルと紙を活用した海外の事例を紹介した。

 ニューヨークの化粧品ブランド・メイベリンは、ウェブサイトでユーザー情報・興味を登録した顧客に向けて、パーソナライズされたマガジンを届けている。掲載された化粧品にはすべてユニークなクーポンが付いており、実店舗で購入するとPOS連携されトラッキングができるという仕組みだ。

 この取り組みで新しく顧客となった70数パーセントが、他のブランドからシフトしている。SNSとも連携し、継続的なコミュニケーションを図りつつ、クーポンとパーソナライズ施策でリテンションを実現しているという。

ECの行動履歴から、オススメのアイテムを紙でお知らせ

 続いては、ECと紙を組み合わせた事例だ。

 アメリカのスタートアップ企業PebblePost は、プログラマティック・ダイレクト・メールというアルゴリズムを持つ。顧客のサイト上の動きをトラックし、カート落ちした瞬間から行動履歴に基づき、リコメンドアイテムのデータを作成する。そのデータを受け取った印刷側では顧客データを元に最適なサイズ・情報量・色味・パターンを分析してプリントし、投函していく。

 事例によると、印刷物を受け取った人のうち平均47%がウェブサイトへ戻ってくる。そのうえ顧客単価にアップセルが見られるそうだ。

 「印刷の持つ、遅い・高い・手間がかかるというイメージが一新される最新のプリント技術が、これから当たり前となっていくでしょう」と岡本氏は語った。グーフでは、「Print of Thing」というMAと紙メディアを組み合わせたサービスをリリースしている。

デジタルとテクノロジーがアナログの良さを引き出す

 今回の実証実験からわかることは、データドリブン・MA・印刷テクノロジーといったデジタルの活用法次第で、アナログ(DM)がチャネルとして持つメリットを最大限にいかすことができるということだ。

 鈴木氏は、やはり自社で実証実験をすることが一番とし、そのポイントを語った。

 まずは課題を決め、シナリオを構築する。続いてのビークルテストでは、メールだけ・DMだけ・それぞれを組み合わせたパターンすべてに、同じ施策を当てる。そして、比較する軸はひとつに決めてPDCAを繰り返す。同時にいろいろと比較したくなるが、シンプルに行うことがよいそうだ。

デジタルマーケティングという言葉がなくなる?

 最後に鈴木氏は、これまでのマーケティング市場にあったデジタルとアナログの対立構造から視点を変えようと提案した。

 「今後、デジタルマーケティングという言葉はなくなっていくでしょう。デジタルやテクノロジーを活用して、すべてのメディアが隔たりなく運用できるようにしていく。そのことが、お客様とのリレーションシップを高め、ビジネス課題を解決していくと思います」(鈴木氏)

 これまでのアナログの手法を再定義するという、デジタルの使い方に注目だ。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/18 16:27 https://markezine.jp/article/detail/27313

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