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白メガネ野崎が突撃!次世代のトップランナーに聞く新時代のキャリア形成

販売経験×副業でキャリアの拡充に成功。三井住友カード久保さんが事業会社マーケターになれた訳

自分を商品に見立てて転職活動

野崎:逆に副業での経験が本業にも活きていたでしょうし、掛け合わせてキャリア形成を行えた良い事例ですね。では、現職の三井住友カードさんに転職されたときのエピソードをおうかがいします。なぜ事業会社へのキャリアチェンジを決めたのでしょうか。

久保:徐々にスキルを身に付け、自分で分析からプランニング、実行まで一気通貫でできるようになる中で「もっとこうしたら良くなるのに」ということが支援会社だと実現できないジレンマを感じるようになったからですね。

野崎:確かに支援会社側の限界はありますよね。最後に施策の導入を意志決定するのはクライアントになりますし、売上にまでコミットしづらいですからね。

久保:理想を追求できなくなってきたことに限界を感じたこともあり、事業会社側に入ることでとことん追求できる環境に身を置こうと、転職を決めました。

野崎:まさに、支援会社から事業会社に行きたい理由の王道パターンです。その中で、三井住友カードさんを選んだ理由はなんだったのでしょうか?

久保:自分の求める条件と合った会社を調べ、自分と親和性の高い企業から受けていった結果、ご縁があったので入社しました。特定の業種などでは絞り込んでいなかったです。

野崎:自らが商品であるという目線で、買いたくなりやすい転職先を選んでいたんですね。キャリアの作り方にもマーケティングセンスを感じます。自身のWILLベースで企業や職種選定を行うマーケターのが多いのですが、しっかりと相手の立場になり、自身を売り込んでいくストーリーを描くプロセスはぜひマネして欲しいですね。

公務員試験の挫折で生まれた「気づく力」

野崎:では、三井住友カードさんに入られてからのパフォーマンスは正直どうでしょうか?

久保:入社して以降キャッシュレスの機運の高まりという社会的背景や新規会員獲得向けのキャンペーンによる外部要因はありつつも、新規会員獲得数は昨年比120~140%、多い時には500%近くまで増加させることができました。特にリスティング広告の成果が貢献しており、CPAも目標以下を維持できています。

野崎:入社後すぐに結果を残し、社内における信頼残高を増やすことに成功していますね。これができると転職後のスタートダッシュが切れるので、仕事が充実するケースが多いです。販売員として全国No.1になったり、自転車パーツの仕入れが大当たりしたりと、様々な成功体験をしている久保さんですが、日々どのような思考回路で過ごしているのでしょうか?

久保:普段からそのマーケティング施策がなぜ行われているのかを考えるようにしています。たとえば、日々通勤で見るトレインチャンネルの広告や街中の広告一つでも「なぜこの面でこの訴求なのか」「自分ならこうする」といったことを日常的に想像し勝手に戦略を立てたりしています。そういった日ごろの思考が今の自分に良い影響を及ぼしています。

野崎:そういった気づく力はどの時代に得られたのでしょうか。

久保:国家公務員試験での挫折ですね。その後、家電量販店でアルバイトしてたときに店長から「販売力を活かしてみないか」と誘っていただいたんですが、そのときに「自分はただお金を稼いでいるんじゃなくて、スキルを磨いていたんだ」と気づくことができました。それ以来、自分や周りのものを客観視することができるようになったんです。

野崎:ありがとうございました。やはり成功の裏には挫折ありですね。販売員からマーケターとしての道を切り開いていくキャリアは一見遠そうですが、マーケティング思考での販売経験及び副業を活用したスキル拡充によりキャリアの選択肢を広げていく点は、非常に参考になりました。

 リスティング広告の運用テクニックなどだけではなく「どうしたらモノが売れるのか」を常に思考されることが習慣化されている点も成長スピードを鈍化させないポイントです。こういった考え方やスタンスはマネできると思うので、特に若手のマーケターはぜひ意識して欲しいですね。市場価値を高めることができるでしょう。

 また、運用型広告などのデジタルマーケティングコンサルタントの副業も事業会社へ転身後に取り組んでいるなど、昨今身近になりつつある副業に対する考え方も含めて、ぜひ久保さんのキャリアを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/07/17 08:00 https://markezine.jp/article/detail/33775

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