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花王、パナソニック コネクト、ニールセンが議論 広告が嫌われないためのクッキーレス対応とは

広告が嫌われないために何をすべきか

 板橋氏が所属する花王では、クッキーレスの対応策としてコンテクスチュアルターゲティングを試しているところだという。3回ほど試した結果「思っていたより偏ったところに配信されるため、そんなに効率が良いものではない」という所感を抱いたものの「やりようはある」と前向きに語る。

 宮本氏はクッキーレスに代わる手法として、ファーストパーティクッキーやコンテクスチュアルターゲティングのほかにも「ユニバーサルID」「ブラウザフィンガープリント」などを紹介。代替手法を検討する重要性を語るとともに、さらに重要なこととして「広告が嫌われないように努める姿勢が、企業に改めて求められている」と根本的な課題も提示する。

 山口氏が参加する日本アドバタイザーズ協会では、2019年に「デジタル広告の課題に対するアドバタイザー宣言」を発表。その8項目目に「ユーザーエクスペリエンスの向上」を掲げている。

「テクノロジーの進化は正と負どちらの影響もあります。負の影響をできるだけ取り除き、広告主・代理店・メディアが一丸となって健全な業界にしていかなければなりません。そのためには現状を知り、専門知識を身につけた上で対策を考えることが重要だと考えています」(山口氏)

「人」ベースの広告効果測定を可能にするIDシステム

 クッキーレスへ対応するにあたり、広告主はAndroidとiOSの割合をはじめ、ユーザーが実際に使用しているトランザクションの割合などまで考慮しなければならず、その作業は複雑を極める。メディアとデバイスの掛け合わせによって、広告接触は今後さらに複雑化するという予想の下、ニールセンは「ニールセンIDシステム」をグローバルでローンチした。

 同システムでは、ニールセンが持つデジタル広告視聴率(DAR)の計測技術と、非デジタル識別子を含む外部データを融合。媒体社、プラットフォーマー、データパートナーとの連携により、日本国内1億2,000万以上のデバイス情報を活用した「人」ベースの広告効果測定を可能にする。日本でも2022年4月よりデジタル広告視聴率(DAR)での計測が強化された。

 「クッキーや広告IDといったデジタル上の識別子ではなく、人にフォーカスすることでリーチとフリークエンシーの課題を解決できる」と宮本氏。プラットフォーマーやウォールドガーデンを横断したキャンペーン計測が可能なことから、同システムを「視聴者の顔が見える指標」と表現する。

「クッキーレスをはじめ、デジタル広告をとりまく環境はこれから先どんどん変化していくでしょう。当社では変化に対応しながら、質の高い計測サービスを引き続き提供していきたいと考えています」(宮本氏)

【ガイド】広告主にとって鍵となる5つの質問への回答

広告主の疑問にニールセンがお答えします。本ガイドでは、リーチと広告効果について広告主が知っておくべきことを丁寧に解説しています。是非ご一読ください。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/07/06 10:00 https://markezine.jp/article/detail/39207

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