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自社のダッシュボードを社外に公開! データドリブンなサラダ専門店が取り組む熱狂的なファンづくり

 ビジネスの成長に欠かせないファンの存在。関係性の構築はそう簡単なものではない。カスタムサラダ専門店「CRISP SALAD WORKS」を運営するCRISPでは「熱狂的なファンをつくる。」というミッションのもと、ITを駆使したデータドリブンな手法でファンの熱狂度を計測するなど、ユニークな取り組みを進めている。同社CEOの宮野浩史氏に、CRISPのファン戦略やオープンダッシュボード「CRISP METRICS」の狙いについてうかがった。

ブリトー専門店で遭遇した熱狂的なファン

——まずは宮野さんの経歴を教えていただけますか?

 15歳でアメリカに留学して現地の高校を卒業した後、ホームステイ先のおじさんに誘われて天津甘栗の販売をしました。2011年に同時多発テロの影響などもあり帰国。再度渡米するつもりでしたがビザの取得が難しく、興味のあったコーヒーについて学ぶことにしたんです。当時日本に進出して間もないタリーズコーヒージャパンで、緑茶専門店「KOOTS GREEN TEA」の事業責任者を務めるなど、5年ほど勤務しました。

CRISP  代表取締役 CEO 宮野浩史氏
CRISP  代表取締役 CEO 宮野浩史氏

 タリーズコーヒージャパンを退職した後に独立。2007年にブリトーとタコスのお店をオープンしました。私自身、アメリカにいた頃はよくブリトーやタコスを食べていたのですが、日本で食べられるお店が全然なくて。オープンすれば私のようにアメリカで暮らした経験がある人や、日本に滞在しているアメリカ人などに「懐かしい」と喜んでもらえると考えたのです。

 お店はとても人気が出ました。ある日、アメリカ人のお客様から「ありがとう」と声をかけていただいたんです。「ブリト―が大好きなのに日本では食べられなかった。こんなお店ができるのをずっと待っていたんだ。これなら値段が2倍でも買うよ」と。すごくうれしかったですね。この出来事がCRISPのミッション「熱狂的なファンをつくる。」の原体験になっています。

ファンを来店回数、熱狂度をフリークエンシーで定義

 ブリトーとタコスのお店を手放した後、2014年に始めたのがカスタムサラダ専門店「CRISP SALAD WORKS」です。私は代表として全体の意思決定を司り、会社の推進力を高める立場にいます。

CRISP SALAD WORKSの一号店であり、旗艦店でもある麻布十番店の内観
CRISP SALAD WORKSの一号店であり、旗艦店でもある麻布十番店の内観

 現在19店舗を展開中です。「健康的」「おしゃれ」というイメージが先行しがちなサラダを、ラーメンやカレーと同じく「おいしいから食べるもの」にすることを目指しています。おいしさファーストですね。お客様のうち最も大きい割合を占めるのはミレニアル世代。2番目に多いのはZ世代で、今はこの層を厚くしようとしています。

——ミッションにある“熱狂的なファン”とは、具体的にどのような人たちのことを指すのでしょうか。

 CRISPでは熱狂的なファンをふたつの観点で定義しています。まずは「お店を応援してくれる人」という概念的な定義です。たとえば私がある野球チームのファンだとしましょう。スタジアムには1回も足を運んだことがなく、グッズも買ったことはない。テレビで試合を観て応援しているだけだとしたら「そんなのファンじゃない」と言われるでしょうか。私は「応援している人=ファン」だと考えています。「自分はサラダを食べないけど、家族や知人にCRISP SALAD WORKSを紹介したい」と言ってくれる人は、CRISPにとってファンなのです。

 一方、定量面ではファンを回数、熱狂度をフリークエンシーで定義。具体的には「4回以上来店してくれたらファン」「7日に1回以上来てくれる人は熱狂的」という指標を使います。つまり、7日に1回以上のペースで4回以上来店してくれているお客様が熱狂的なファンです。逆に90日間来店がなければ離脱と見なしています。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/10/19 08:30 https://markezine.jp/article/detail/40247

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