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MarkeZine Day 2026 Autumn

今どきシニアの消費行動大解剖

シニア女性のファッション・美容は“他人軸”から“自分軸”へ 値上げラッシュでも縮まない消費を読む

シニア市場は“自分軸時代”に入った

 こうした変化の背景には、時代そのものの空気感もあるのでしょう。SNSやYouTubeでは、50代以上の美容・ファッション系の発信者が増えています。かつては「若く見えること」が中心だったシニア美容も、今は「今の自分に似合う」「無理をしないおしゃれ」へと価値観が広がっています。

 また、猛暑の長期化も見逃せません。「ラクな服が良い」「締め付けたくない」「汗をかいても手入れしやすいものが良い」。快適さや実用性を重視する声も増えています。

 興味深いのは、そうした“ラクさ”と“おしゃれ”が対立しなくなっていることです。以前なら、「おしゃれは我慢」という感覚もありました。しかし今は、「自分が快適でいられること」そのものが、おしゃれの一部になっています。

 シニア市場は今、“他人基準”から“自分基準”へと大きく舵を切っています。年齢を理由に諦めたり、「おしゃれは我慢」と無理をしたりするのではなく、「今の自分が心地よくいられるか」が重要になっています。

これから求められるのは「気分」と「シーン」の提案

 これからのシニア向けのおしゃれ提案では、「何を着るか」だけでは不十分になるでしょう。

 重要なのは、「どこへ行くのか」「どんな気分になれるのか」「どう自分をアップデートできるのか」まで含めた提案です。たとえば、着こなしだけでなく、着回しや小物アレンジ。「今ある服をどう楽しめるか」という視点は、今後さらに重要になりそうです。巻物やバッグ、アクセサリーなどで変化をつけるだけでも、「少し新しい自分になれた」と感じられる。それが、今のシニアのおしゃれのリアルなのかもしれません。

 おしゃれは今、「他人からどう見られるか」という身だしなみから、「自分の気分を整えるスイッチを入れる」ためのものへと役割を変えつつあります

 本連載は今回で最終回となります。これまでお読みいただいた皆さま、本当にありがとうございました。シニア市場は、年齢だけでは語れないほど、多様で面白く、価値観も消費も、変化に満ちています。これからも、そのリアルな声の中にある変化の兆しを丁寧にひもとき、次の時代のヒントを探し続けていきたいと思います。

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この記事の著者

梅津 順江(ウメヅ ユキエ)

ハルメク 生きかた上手研究所 所長

2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを行い、誌面づくり・商品開発・広告制作の糧になるインサイトをつかんでいる。時代や世代も捉えて、半歩先の未来も予測している。著書に「消費の主役は60代 シニア市場最前線」(同文舘出版)な...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2026/06/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/50708

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