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MarkeZine Day 2019 Autumn

シャトレーゼ、森美術館、ロクシタンが語る SNSコミュニケーションで大切なこと

 2019年9月12日、13日にホテル椿山荘東京にて開催された「MarkeZine Day Autumn 2019」。本記事では、2日目のセッション「デジタルネイティブ世代へメッセージを届けるためにテクニックよりも大切なこと」のレポートをお届けする。シャトレーゼの岩井一紘氏、森美術館の洞田貫晋一朗氏、ロクシタンジャポンの安倍もと子氏が、公式アカウントにおけるコミュニケーション設計のポイントやSNS運営で課題となりやすいKPIなどについて語り合った。

シャトレーゼは丁寧なコミュニケーションを徹底

岩井:まずはそれぞれ簡単に自己紹介させていただければと思います。私は東京の企業で働いた後、2014年にシャトレーゼ(本社は山梨県)に入社しました。シャトレーゼは、国内に約520店舗、海外に約60店舗を展開しています。郊外型の店舗が多く、会社としてデジタルの取り組みはこれからといったところです。

株式会社シャトレーゼ 販促企画課 課長 岩井一紘氏/シャトレーゼTwitter公式アカウント
株式会社シャトレーゼ 販促企画課 課長 岩井一紘氏
シャトレーゼTwitter公式アカウント

洞田貫:森ビルの洞田貫です。森アーツセンターギャラリーや六本木ヒルズ展望台の企画・運営・広報などを経て、現在は森美術館のマーケティングを担当しています。

森ビル株式会社 森美術館 マーケティンググループ 広報・プロモーション担当 シニアエキスパート 洞田貫晋一朗氏/森美術館Instagram公式アカウント
森ビル株式会社 森美術館 マーケティンググループ 広報・プロモーション担当 シニアエキスパート 洞田貫晋一朗氏
森美術館Instagram公式アカウント

安倍:私はロクシタンジャポンに2011年に入社しまして、マーケティング本部に所属しています。EC、CS、CSRの他、コミュニケーションイノベーションプロジェクトを担当しています。LINEの公式アカウントを2013年に立ち上げまして、今は2,100万人以上のファンを獲得し、集客のキーとなっています。

ロクシタンジャポン株式会社 マーケティング本部 EC/CS/CSR コミュニケーション・イノベーション シニアマネージャー 安倍もと子氏/ロクシタンLINE公式アカウント
ロクシタンジャポン株式会社
マーケティング本部 EC/CS/CSR コミュニケーション・イノベーション シニアマネージャー 安倍もと子氏
ロクシタンLINE公式アカウント

岩井:まず伺いたいのは、皆さんのSNS運用体制です。シャトレーゼのことからお話させていただきますと、私の販促企画課では、TwitterとInstagramを運営しています。私が管轄する形で、メイン担当1名とサブ担当1名の2名の運用担当者がいます。ただし、うちの部署ではチラシや売り場の販促物などの制作・ディレクション、進行管理などを主業務としていて、SNSの担当者はそれらを兼務する形でやっています。また、商品アイテム数が400〜500点と多く、全部を把握するのは難しいため、商品紹介についてはマーチャンダイジングを行う売場企画部にも協力してもらっています。

 運用担当している2人はそれまでSNS関連の仕事はしていませんでした。そこでまずは「1日最低10投稿」といったような、とりあえずSNSに慣れるところからはじめました。神がかったTwitter運用をされる企業さんもありますが、それは担当者の能力にすごく左右されてしまいます。ですので、うちでは誰でもできるような「コメントがあったらなるべく返信する」「質の高いユーザー投稿には『いいね』やリツイートで反応する」といった、丁寧なコミュニケーションを徹底しています。

シャトレーゼのSNS運用体制
シャトレーゼのSNS運用体制

森美術館ではSNSが来場のきっかけに、ロクシタンではLINEを集客に活用

洞田貫:SNSの担当は、どこも人手不足で兼務になりがちですよね。弊館もSNS運用に関しては、基本的に運用担当は私のみで、補佐で1人、クリエイティブの準備や、Twitterの予約投稿などを手伝ってもらっています。SNSの運用は動員企画などのプロモーション企画の一部として戦略的にやっています。

 弊館には来場者のアンケートシステムがありまして、その都度開催されている展覧会の来場者に対して、来場動機などをお尋ねてしていますが、直近の「塩田千春展:魂がふるえる」を例にとっても、全体の70%以上がインターネット経由で、そのうちの大半がSNS経由の情報、という結果が出ています。それだけの効果があることはわかっているので、引き続きSNSに力を入れていこうと思っています。

安倍:ロクシタンジャポンでは、Twitter、Instagram、Facebookの3つを担当しているのが1人、LINEの担当が1人となっています。我々の中で集客メディアとして大きいのがLINEでして、こちらに関しては細かい運用フローがあります。まずはマーチャンダイジングの企画ミーティングを実施し、その後社内でクリエイティブを作成、マネージャーなどにクリエイティブレビューを行ってからの情報発信となります。しかし、在庫状況などを見て、フレキシブルに内容調整できる体制ではあります。

岩井:ありがとうございます。では、次は気になるKPIについて。

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32075

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