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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Autumn

マーケティング組織を立ち上げて最初の6ヵ月でやること

BtoBマーケ未経験でも3名→30名にできた理由とは?富家氏に聞く、大企業マーケティング組織の作り方

商談や受注手前の「詰まり」はどう解消するか?

松本:短期と中長期のバランスに関して、事業で言えば、リード獲得のCPA最適化だけでなく、その先の受注率、LTVまで見据える必要がありますよね。展示会や広告出稿で一時的に成果が出ても、商談や受注手前で「詰まり」が発生するようなケースはあったかと思いますが、当時どのように気づき、解決されていましたか?

富家:各種施策から商談や受注が何件生まれているかが数値化されていたため、何が起きているかすぐに把握できる状態にありました。受注につながらない施策は、営業サイドと話して、改善が見込めないなら中止します。

 たとえば、ユーザー会や商談確約型の協賛イベントは受注0件だったので、躊躇なく中止を決定しました。データでつながっているという前提、受注につながらないものは即座にやめるという判断基準、営業サイドとの連携、この3つが揃っていたので、意思決定は早かったです。

 また、受注率が想定よりも低い場合は、商談の中身まで踏み込んで確認していました。毎週営業部の定例会に出席してトスアップした商談の進捗を聞き、言葉を濁す営業には「本当のことを言って」と指摘していました。失注理由が「失注したため」と書かれているようなケースでは問い詰めることも(笑)。Salesforceの定着には2年以上、1万回以上同じことを言い続けましたね。

画像を説明するテキストなくても可

松本:大企業ほど数値化しにくい「組織間に埋もれた課題」があるものです。富家さんはどのようにボトルネックを見つけ、解決されていたのでしょうか。

富家:私は、マーケティングチームの役割は「ボール拾いだよ」と言い続けていました。部内キックオフ資料にも、「部署間に落ちる仕事をやるのがマーケティングチームです」と常に記載していましたね。事業責任者や営業部長と密にコミュニケーションを取り、「ふけさん、上からもあれこれ言われてて大変なんよ」「ふけちゃん、困ったよ」といった話を聞き「では私がやっておきますね」という姿勢で臨んでいました。

 正直、休日出勤も厭いませんでしたし残業時間は多かったと思います。でも、そうやって努力していると、自然と情報が集まってくるんです。公式なドキュメントと、非公式なコミュニケーションを使い分けることで、円滑に業務を進められました。

最初の1ヵ月で「一次情報」を集める仕組みを作る

松本:この連載のテーマを改めて伺います。今の富家さんが、新規のマーケティング組織に参画した場合、何から着手されますか?

富家:最初の1ヵ月目に、CRMを導入します。取引先や人物情報、営業との商談内容の文字起こし、その結果、流入チャネルなどをCRMで紐づけ一次情報が自動的に集まる状態を作ります。

 それができれば、マーケター1人で出力できるアウトプットの質と量が飛躍的に向上します。AIを活用することで、最低限のクオリティを担保しつつ、大量のアウトプットが可能になります。重要なのは、コンテキストエンジニアリングと一次情報です。アウトプットの成否を分けるのは、いかに質の高い一次情報が集まる仕組みを構築できるか、にかかっています。

 私自身、マーケターとしてのスキルには自信がありません。私がうんうん悩むよりも、AIが作ったアウトプットのほうが優れていると考えています。だからこそ、AIが適切に機能するように私が立ち回ることが、結果的に良い成果につながると思っています。

 ……って、こういう話で大丈夫ですか? MarkeZineの読者の皆さん、つまんない、と思われていないでしょうか。

松本:エンタープライズに在籍されていた方が、当時の働き方をお話される機会はとても少ないので、貴重な体験談をお聞きできています。内情がわかっていないままだと、マーケティング組織の支援も推進もできません

富家:コニカミノルタジャパン時代、外部の支援会社やツールベンダーから「〇〇部の〇〇さんに提案しているのですが、どう進めたら良いですか?」って相談を貰ってたんですよ。

 多くの場合は「その案件、失注しますよ」でした。なぜなら、提案しているその人は稟議を通したことがないから。稟議の通し方を知らない人に提案したって、そもそも無理がありますよね。やっぱり、エンタープライズは内情や作法みたいなものをわかっていないと難しいですよね。

松本:最後に、富家さんの今後のキャリアについてお聞かせください。

富家:少し意外に聞こえるかもしれませんが、今後は、ビジネスMCとして生きていくことにしました。モデレーターなどを専門に、「話すこと」を仕事にしようと考えています。もちろん、人材育成や組織開発の観点でのBtoBマーケティング支援は私の得意分野であり、今後も注力していくつもりです。

松本:少しも意外に聞こえていません(笑)。富家さんに向いていると思います。人が好きなんだな、という印象を持ちました。本日はお時間をいただき、ありがとうございました

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この記事の著者

松本 健太郎(マツモト ケンタロウ)

株式会社EVERRISE 執行役員CMO
龍谷大学法学部卒業後、データサイエンスの重要性を痛感し、多摩大学大学院で統計学・データサイエンスを“学び直し”。デジタルマーケティングや消費者インサイトの分析業務を中心に、さまざまな分析を担当する。noteで活躍しているオピニオンリーダーの知見をシェアする「日経COMEMO」メン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/06/01 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50572

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