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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

マーケティングを経営ごとに 識者のInsight

事業を通して世の中をより良い方向へ 応援購入サービス「Makuake」が目指す、これからの購買体験

なぜ「応援」という消費トレンドが起きているのか

——コロナ禍を機に、「応援消費」という消費トレンドが生まれています。御社はこのキーワードが出てくる前から「応援購入」という言葉を使われてきたわけですが、これからの消費に「応援」がポイントになってくると感じられていたのですか?

坊垣:感じていましたね。ものが溢れ、さらにインターネットの発展とともにマス的な情報で支配されていた時代が終わったことで、人々の意識は「自分の内面」に向くようになり、それにともない「消費の価値観」も変わってきていると感じていました。たとえばジェンダーの問題だったり、ウェルビーイングな働き方だったり、いわゆる「幸福とは何か?」という議論が増えているのも、その流れのひとつです。こうした議論がより本質を帯びていくようになったことで、消費によって得られる「物的欲求の満足」と、「精神的な満足」は異なるよね、と追求する人も増えてきました。

 自分の内面に目を向けていくと、「自分が何にお金を使うのか」「お金を使うことで自分がどういう気持ちになるのか」というところにも意識が向くようになります。そうすると、消費行動における判断基準も、ただ「他者評価が高いから」「機能性が高いから」という理由だけではなく、「自分が本当に満足できるものは何か?」「自分の使うお金が良いことにつながるのか?」というところに目が向くようになります。クラウドファンディング市場の伸びや、寄付文化が昔より根付いてきたのもその流れで、コロナ前からはじまっていたものです。それがコロナによって、そこの意識上げがより急速に進んだと捉えています。

 コロナ禍でキャンプが流行ったのも、「密でないから」という要素ももちろんあると思いますが、どちらかというと人々が内面を見つめることで「自然を求めた」という要素もあると思います。

——コロナ前から、変化は始まっていたのですね。では「応援消費」というトレンドはコロナ以降も続くとお考えですか?

坊垣:そうですね、続くと思います。というより、消費だけでなく、コロナ禍で変化したものは一過性ではないものが多いと思います。人間の感覚は慣れるとそれがスタンダードになるので、マイナスになっていないものに関しては、揺り戻しは起きません。価値観の変化は、気づいてアップデートされれば、揺り戻しは起きないものだと考えています。

事業を通して世の中をより良い方向へ

——では、消費者に応援されるために、企業は何をしていけば良いでしょうか?

坊垣:一言で言えば、誠実であることですね。自分たち企業の発展だけでなく、生活者・社会のことを考える企業が、これからは支援・応援されていくと思います。

 また今では「あの企業はこういったメッセージを発信しているけど、実際は違うよね」というように、消費者が背景を受け取れる時代でもあります。そのため、経営とマーケターはよりリンクして動かないといけないと思っています。バナーの表現ひとつとっても、企業が発信するメッセージとずれが合ってはならない。各接点での分断が気づかれてしまう時代だからこそ、経営とのリンクがマストになっていくのではないでしょうか。

——最後に、今後の展望をお聞かせください。

坊垣:はじめにお伝えしたとおり、当社は「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」というビジョンの下でビジネスを行っております。「Makuake」が成長していくことで、誠実な企業が選ばれたり、伝統芸能などの日本独自の産業文化が生き残ったりと、社会をより良い方向に変えていくための後押しをしていきたいと思っています。これは私の使命でもあると思っているので、精一杯取り組んでいきます。

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/02/25 06:30 https://markezine.jp/article/detail/38329

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