売上から逆算し、SNSの事業貢献を明示する方法
SNSを運用していると、インプレッションやリーチなどのSNSプラットフォームの指標をそのまま成果と見なしてしまう傾向がある。これに対し、小林氏は「SNSが売上にどのように貢献しているかを言語化し、明示していく必要があります」と強調する。
しかし、売上とSNSの相関関係は見いだしにくい。その解決として、小林氏は売上に至るまでのプロセスに基づいてKPIツリーを作成し、SNSが果たす役割を明確化している。
売上を構成するのは「新規売上」と「リピート売上」だ。この2つの売上に寄与しているものが「ブランドの想起」であり、想起を生むのは「ブランド好感度」となる。
ブランド好感度は複数の要素で構成される。「製品」の品質や、「ブランドに対するイメージ」などだ。この、ブランドに対するイメージを深堀りすると、認知であったり、知覚品質であったり、連想やロイヤリティという指標に行き着く。すると、SNSは、「第一想起率」を向上させるため、「ブランド好意度=使用意向率」の上昇につながるような「投稿」を作っていく役割があることが見えてくる。
「インプレッション数やエンゲージメントが、ブランド好意度の上昇につながっていることを示すとともに、広報・PRとの連携によってメディア露出を促進することで、露出件数やリーチ人数、広告換算価値といった指標が生まれ、総合的にSNSの成果を把握できます」(小林氏)
こうした売上貢献の結果として、エリエールブランドは23年連続で家庭用紙製品国内シェアNo.1という地位を確立している。
明日からできるSNS起点の話題の作り方
ここまで紹介した取り組みは、決して「大きいブランドだからできた」わけではない。富田氏は、明日からできるSNSの取り組みとして次の3つを挙げる。
第1に「既存フォロワーやファンの生の声を拾う」こと。大王製紙では自社のファンコミュニティにアンケートを実施したが、既存のSNSアカウントのフォロワーの投稿からニーズを汲み取るという方法もある。SNSのアンケート機能を活用してもいいだろう。こうして日々感じているユーザーの生の悩みや課題を見つけていく。
第2に、その結果をもとに「ライフハックの視点でコンテンツを1つ作ってみる」こと。コンテンツの制作は大変ではあるが、まず1つ投稿して反応を見るのが第一歩につながる。
第3に「SNSだけで完結させずに、メディアへのアプローチを行う」こと。ライフハック投稿が増えてきたら、反応の良かった投稿や人気の投稿をリスト化し、メディアに送ってみよう。
小林氏と富田氏は「この3点は今日からできる取り組みです。まずは1つ、ライフハック投稿を作ってみてください」と会場を激励し、講演を終えた。
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岩崎 史絵(イワサキ シエ)
リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。
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