アンケートが出てくるタイミングもコントロールできる
アンケート画面のUIは2種類。ウェブサイトのユーザビリティに極力影響を与えないウインドウ型のUIと、ページ全体を覆い尽くすスクリーン型UIだ。楽天レシピは前者を採用した。
楽天レシピの場合、完全に回答したユーザー分のデータを抽出する形で、完全回答率が3.31%。楽天リサーチの平均値では、インセンティブありで約15%が目安だといい、インセンティブを与えずに3%を超える回答率はかなり高い結果であることがわかっている。
「通常の楽天レシピ内でもアンケートページを作っていますが、インセンティブを付けても回収数が低調で苦労することもあるので、回収数にも満足しています。
それに、来訪直後のユーザーにいきなりアンケート画面が出てきても意味はないので、アンケートが出現するタイミングもコントロールできる点も納得の仕様でした。データ収集後、3営業日目安でクイックにデータ分析までしてくれるので、広くビジネス活用しやすい手応えを得ています」(蔵川氏)
「回答率は、ウェブサイトによって大きく異なりますが、ウィンドウ型で1~5%ほど。スクリーン型で、5~10%ほどとインセンティブ無しとしては高い回答率を保てていると思っています。楽天レシピ様のようにユーザーに継続して利用される”愛着を持たれるサイト”ほど、回答率が高くなる傾向があります」(上村氏)
ちなみに、3ダウンレシピを通じて高血圧予防に対する興味や関心についての変化を尋ねたところ「非常に興味・関心が高まった」が12.0%、「興味・関心が高まった」が39.3%、「どちらともいえない」が36.2%、「あまり興味・関心が高まらなかった」が6.5%、「まったく興味・関心が高まらなかった」が6.0%だったという。他に、同一の質問に対して「年代別」「本人もしくは家族が高血圧かどうか」「高血圧への関心の有無」といった条件別でもデータが算出できる。
現実的な価格感で、トレンド探しやブランドリフト調査が可能に
サービス名の通り“リアルタイム”を調査し、素早い分析という強みも重なって、Real Timeアンケートを通じた今後への展望は開けやすい。各社がReal Timeアンケートから得た発想や考え方も実践向きだ。
「たとえば、通常は事後にしか効果が見えにくいwebキャンペーンでも、キャンペーン中にReal Timeアンケートを実施すれば、リアルタイムでのユーザーからの評価を元にサイトやメッセージングの改善ができます。また、ECサイト等で活用すれば、自社の競合となる製品や追加で購入を検討している商品を把握することもできます」(毛利氏)
「楽天レシピだと、食の流行やトレンドの兆しを探るのに最適かもしれません。世の中の実際とサイト内では流行の中身がずれていたりします。楽天レシピならではの流行の兆しを見つけたり、流行の兆しを証明するエビデンスに使ったりできそうです。特にオフラインの購買が中心という商材は、データログが残りづらいので、Real Timeアンケートの使いどころだと感じます」(蔵川氏)
「従来の追跡調査が中身の深さを追求できるのに対して、Real Timeアンケートの即時性は、広告主のスピード感にも並走できます。本格的な調査だと100万円は超えてくる、という従来型の状況を一変し、桁が1つ少ないコスト感でスタートできるのも強みです。また、リアルな声を扱うからこそ、ブランディング広告に触れたか触れていないかで、購買の有無を測定するブランドリフト調査にも応用できます」(毛利氏)
さらにReal Timeアンケートは、Google アナリティクスとの連携も可能で、日頃の解析ツールの延長線上でも利用できる。
「これまでウェブ解析の”定量データ”と、アンケートによる”定性データ”は分断されていました。Googleアナリティクスへアンケートデータを送信することで、Aと回答した人がウェブサイト内でどう動いているか、といったユーザー心理に深く迫った分析が可能になります。」(上村氏)
データや数字では追いかけきれないユーザーの感情を、どれほど確度高く迫ることができるか。その術を持っていることはサービス開拓の大きな原動力にもなる。
「今後の展望としてはVoicePocketと楽天リサーチでCookieシンクさせ、Real Timeアンケート回答者の中から楽天リサーチモニター会員を抽出し追跡調査を実施したり、アンケート回答結果へ楽天リサーチが保有する属性情報を紐付けた分析の提供も検討しています」(毛利氏)
かなり有力で現実的な選択肢の一つに、Real Timeアンケートがあげられそうだ。
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