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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

ダイバーシティから考える、新しいマーケティング・コミュニケーションの視点

生活者の琴線に触れ、バイアスを解放するコミュニケーションメッセージのヒント

ゴディバが解き放った「義理チョコ」の呪縛

白石:一方で、多くの方から共感を得たキャンペーンについて見てみたいと思います。2018年のバレンタインに、ゴディバが代表取締役社長の名前で「義理チョコをやめよう。」という新聞広告を掲出しました。

守屋:ゴディバの企業としての意思を示したのと同時に、社長の名前で広告を出したことで、社長個人の「Iメッセージ」として表現されたことは、注目すべき点です。

 賛否含めて多様な意見が出てきましたが、「職場の慣例に従って、義理チョコをあげなければいけない」という呪縛にとらわれていた人たちにとっては、その「アンコンシャス・バイアス」から解放されることとなり、本来の目的を考えるきっかけとなりました。

白石:「Iメッセージ」による「問いかけ」が、多様な意見をつまびらかにし、人々の「対話」を活発にさせている。これはまさに多様性時代のコミュニケーションの一つのあり方ですね。

自分の中の「アンコンシャス・バイアス」を解放する

白石:最後に、「アンコンシャス・バイアス」を払拭するためにはどうすれば良いのでしょうか。これほどたくさんのバイアスがあるとわかって、及び腰になってしまう人も多いのではないかと思います。

守屋:「アンコンシャス・バイアス」は、無意識のうちにとらわれているものですから、どれだけ払拭しようとしても生まれてしまうものです。そして誰しもが持っています。「もうなくなった」とか「わかったから大丈夫」ということはありません。自分にはどんな「アンコンシャス・バイアス」があるのかを、まず認識することが大切です。

白石:どうすれば、自分の「アンコンシャス・バイアス」を認識できるでしょうか。

守屋:書き出してみることですね。たとえば、「女性・男性に対してこんな決めつけをしていた」「特定の人に対して、こんな思い込みをしているかもしれない」「会議の発言で、決めつけや押しつけをしている自分に気づいた」など、些細なことで構いません。まずは2週間、気になったことをメモすることからはじめてみてください。続けると、自分の考え方の傾向や思い込みの癖が見えてくるはずです。

白石:メッセージを考える際には、最初のブレストなどで、チームみんなの「アンコンシャス・バイアス」を書き出し認識すると良いかもしれませんね。リスクヘッジにもつながりますし、新しいアイデアが生まれるきっかけになるかもしれません。今日は学びの多いお話をありがとうございました。

次ページでは、白石氏が今回のインタビューをもとに、マーケターに向けた具体的なインサイトをまとめています。こちらもぜひご一読ください。

次のページ
解説:精神的欲求が求められる時代に響くメッセージとは?

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この記事の著者

白石 愛美(シライシ エミ)

コーポレートコミュニケーション コンサルタント
株式会社Amplify Asia 代表取締役
株式会社YUIDEA 社外CMO

WPPグループにて、リサーチャーとして主にマーケティングおよびPR関連プロジェクトに従事。 その後、人事コンサルティング会社、電通アイソバーの広報を経て、ダイバーシティを起点に企業のマーケティングをサポートする株式会社Amplify Asiaを立ち上げる。2024年10月より、YUIDEAの社外CM...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

石川 香苗子(イシカワ カナコ)

ライター。リクルートHRマーケティングで営業を経験したのちライターへ。IT、マーケティング、テレビなどが得意領域。詳細はこちらから(これまでの仕事をまとめてあります)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/12/16 08:00 https://markezine.jp/article/detail/32414

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